古竹花一輪
 
(造形)
2004.5.26〜30

造形
 徳永 青也 (神奈川県横浜市港南区在住)
■展示内容
横浜市港南区在住の徳永青也さんの古竹を用いた一輪挿しに、陶芸の金子克子さんが花器を造り、野花を挿しました。約20点の様々な表情の古竹に、それぞれ違ったかたち、色、風合い、イメージの花器。そして、ツユクサ、イグサ、こばんそう、姫こばんそう、箱根アジサイ・・・・かざらない野の花や、野の草。あるがままの植物の“いのちを愛でる”生け花の原点を見たような気がします。160人を超える方が、趣きある古竹と花器、野花の調和を楽しまれました。
■作家略歴
1932  熊本県に生まれる
1959  福岡RKB毎日
1962  東京放送TBS
1987  TBS映画社退社
1991  潟Rン・ハーツデザイン研究所設立
2000  研究所解散
     以降個人的創作活動に入る
2001  第一回個展「祀る」東京・山形・熊本
2001
 日本壁志の会発足
2004 第2回個展「古竹に立夏を捧ぐ」横浜
■ミニレクチャー
徳永氏によるミニレクチャーは、古竹との出会い、それを手元に引き取るまでの様々なご苦労と力を貸してくれた人々への感謝。なんとか古竹を活かしたいという独自のこだわりから4年を経て現在。古竹の持つ年月の重みに相応しい金物小物や紐などを調達するのに大変ご苦労されたとのことでした。それはまさに時間をデザインする作業であったといいます。
■古竹について
「風雪七十余年。古竹孟宗に、立夏を捧ぐ。」
平成十二年。小田原曽比の地において突然出会った古竹。魅せられたその朽ちかけの竹垣は、小田原の漁場の浮玉として5年間海中にあり、その後竹垣としての再利用と知り、その力の不思議さが分かりました。戦中戦後、そして、成長繁栄、混迷と二十一世紀を黙々と立ち続け、朽ちてなお、竹の心を失わない凛とした姿。私は、この古竹に、今日の立夏を捧げるために、一輪挿しを作ることを思い立ちました。
  (徳永氏 挨拶文よりの抜粋)
■感想
平成十二年偶然に出会った古竹。それにつながる方々への感謝を現す機会を得た。そして、何よりもそれに相応しい「場」が、しかも住居の近くに在ったことの喜びは大きく、地縁の有り難さに感謝する。